1. 前提|GSとHS、それぞれの役割
接客導線のどこを担当するかで、練習の重点が変わります。
まずは自分の役割を軸に、何を磨くべきかを押さえましょう。
| 観点 | GS(ゲストサービス) | HS(ハーバルソムリエ) |
|---|---|---|
| 主な担当 | 受付・案内・お見送りなど接客導線全般 | カウンセリング・ハーブ説明・施術対応 |
| 練習の重点 | スムーズな動線/第一印象/言葉遣い | 傾聴/提案精度/ハーブの知識と伝え方 |
| 代表的なシーン | 入店対応・ご案内・お見送り・電話応対 | カウンセリング導入・ブレンド提案・施術説明 |
自分の担当シーンを磨くのと同じくらい、相手の役割を理解しておくと、
引き継ぎの間合いが変わります。たまにはお互いの役を演じてみるのも、いい練習になりますよ。
2. NAGI流ロープレの3原則
NAGIのロープレには、3つの原則があります。
- 一回にやることを一つに絞る/テーマを決めて練習する
- ゲスト役をリアルに演じる/お膳立てしない
- 足し算の罠を避け、引き算で伝える/理想から足りないものを見る
どれか一つでも欠けると、最初の「なんとなく練習」に逆戻りします。
次の章から、一つずつ丁寧に説明します。
まず「そういうルールがあるんだ」くらいで、次の章に進んでみてください。
ロープレを重ねるうちに、「あ、こういうことか」と自然にわかる日が来ます。
3. RULE 1|一回にやることを一つに絞る
「全部うまくやろう」とすると、何も身につきません。
人間が一度に意識できることは一つだけ。テーマのないロープレは、ただ時間を使っているだけです。
成長の4ステップ(テーマの段階)
習熟度に応じて、練習のテーマを段階的に上げていきます。
| STEP | テーマ | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 内容を知る | フロー・用語・挨拶の型を声に出して追う/ハーブの名前と効能を声に出す |
| 2 | セリフを覚える | 入店・案内・見送りの各シーンを単体で/ブレンド提案・施術説明を単体で |
| 3 | 流れでつなぐ | 入店〜ご案内完了まで通して/カウンセリング〜ブレンド決定まで通して |
| 4 | 温度・間をつくる | 第一印象・言葉の温度・笑顔と間 |
→ セリフを完璧にするまで、次のSTEPへ進まないこと。
練習の集中度が一気に上がります。
曖昧なまま始めると、「なんとなくできた気」で終わってしまいます。
4. RULE 2|ゲスト役をリアルに演じる
逆説の真実:接客スタッフ役よりも、ゲスト役のほうが学びが大きい。
ゲスト役を真剣に演じるほど、「本番で起きること」が練習で見えてきます。
視点を変えると見えてくるもの
GS視点での気づき
- 案内の言葉が多すぎて不安になる
- スタッフの動きが見えないと緊張する
HS視点での気づき
- 矢継ぎ早の質問への圧迫感
- 提案が早すぎると感じる「押しつけ感」
ゲスト像の解剖図(5項目)
「なんとなくお客さん」では意味がありません。
ロープレを始める前に30秒だけ時間をとって、以下の5項目を設定してください。
- 年齢・職業(例:40代・デスクワーク)
- 来店動機(例:肩こり・慢性疲労)
- よもぎ蒸し経験(例:初めて/経験あり)
- 緊張度(例:少し緊張している)
- 隠れた本音(例:あまり話しかけられたくない)
ゲスト役の絶対ルール(Do)
- 設定した緊張度を体(姿勢・目線・返事)で表現する
- 不自然な説明や間があったら、ちゃんと「わからない顔」をする
- 「隠れた本音」を持ったまま受け答えする
やってはいけないこと(Don't)
- スタッフ役が言いやすいようにお膳立てしない(ゲストはシナリオを知らない)
- 途中でヒントを出さない(本番より易しくなり練習の意味がない)
- 場を和ませるためにリアクションをオーバーにしない(練習の緊張感が失われる)
「あまり話しかけられたくない」と設定したら、話しかけられるたびに少しだけ身構える。
その小さなリアルさが、相手(スタッフ役)の気づきを生みます。
5. RULE 3|足し算の罠を避け、引き算で伝える
「もっとここを足したらいい」という伝え方は、相手を迷わせるだけ。
練習時間は限られています。理想の状態から「何が欠けているか」だけを抽出して伝えましょう。
引き算フィードバックの方程式
理想の状態 ー 現在の差分 = 次回試す1つの行動
例(HS向け)
- 理想:「ちゃんと私を見てくれている」と感じる了解感
- 差分:質問の後に間がなく、ゲストが考える時間がなかった
- 次回:「質問したあとに、3秒待ってから次に進んでみて」
フィードバックの禁止ワード
| NG表現 | 理由 |
|---|---|
| 「頑張ろう」で終わる | 何を継続すればいいかわからない |
| 「全体的に…」「なんとなく…」 | どこを直せばいいかわからない |
| 「私だったらこうかな」 | 自分の話になってしまう。基準が「理想」ではなく「私」にズレる |
3つ指摘すると、相手はどれも覚えていられません。
やさしく、1つだけ。それが相手への最大の贈り物になります。
6. NAGIのロープレ・スタンダード
以下3点すべてが揃って、初めて質の高い練習になります。
| # | 要素 |
|---|---|
| 1 | 1つのテーマに絞る(RULE 1) |
| 2 | リアルなゲスト役(RULE 2) |
| 3 | 引き算のフィードバック(RULE 3) |
どれか一つでも欠けると、最初の「なんとなく練習」に逆戻りします。
7. Do Not Stop|15分タイムライン
ロープレは「完走すること」が最優先。止まらずに、15分の流れで実行します。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 00:00 - 00:30 | テーマ・役割の宣言 |
| 00:30 - 01:30 | ゲスト像カード設定(5項目) |
| 01:30 - 11:30 | ロープレ本番(10分) |
| 11:30 - 12:30 | ゲスト役の感想 |
| 12:30 - 14:30 | 引き算フィードバック |
| 14:30 - 15:00 | 次回テーマ決定 |
月に7時間、半年で40時間の集中練習になります。
1回の長さより、毎日続くことを大事にしてください。
8. 3週間集中プラン
入社後・リハビリ明けなど、基礎を作り直したいときに使える3週間プラン。
毎日15分、まず21日。これがNAGIのキャストの最低ライン。
WEEK 1|基礎を入れる
Day 1-3 / STEP 1:内容を知る
- GS:テキスト音読。用語・フロー・差別化3ポイントを言える
- HS:テキスト音読。5ブレンドの名前・効能・生薬を言える
Day 4-7 / STEP 2:セリフを覚える
- GS:入店・案内・見送りを単体でスムーズに
- HS:カウンセリング導入・ブレンド提案・施術説明を単体で
Goal:最初の3日間で確認テスト全問クリア
WEEK 2|流れでつなぐ
Day 8-14 / STEP 3:流れでつなぐ
- GS:入店→個室送り出しまで通せる/退室後→お見送りまで通せる
- HS:個室入室→カウンセリング→ブレンド決定まで通せる
Rule:毎日必ず1セッション継続すること
WEEK 3|温度・間をつくる
Day 15-21 / STEP 4:温度・間をつくる
- GS:第一印象でゲストが安心する接客ができる
- HS:専門性を押しつけず、安心できる提案ができる
Mandatory Action:録音して自分で聴き、振り返る
でも、自分の声を客観的に聴ける人だけが、ゲストの耳に届く声を作れます。
勇気をもって、WEEK 3のその一歩、踏み出してみてください。
9. 付録|すぐ使えるシート
付録1:ゲスト像カード(ロープレ前の30秒設定)
② 来店動機:
③ よもぎ蒸し経験:□ 初めて □ 経験あり
④ 緊張度:□ リラックス □ 少し緊張 □ かなり緊張
⑤ 隠れた本音:
Pro Tip:毎回バリエーションを変えて練習する。
(例:緊張気味の30代肩こり持ち/リラックスしたハーブに詳しい40代)
付録2:引き算フィードバックシート
【シーン】 入店 / ご案内 / カウンセリング / ハーブ提案 / 施術説明 / お見送り / その他
【理想の状態】
【今日の練習で気になった一点】
【次回試すこと】
ロープレ前にカード、終わった後にフィードバックシート。
書いた紙を月末まで溜めておくと、自分の成長の軌跡になりますよ。
10. Closing
基礎を極めるからこそ、
お客様に寄り添う「余白」が生まれる。
ステップを飛ばさない。
毎日15分、確実に積み上げる。
ロープレは、自分を責めるための時間ではなく、自分を育てるための時間です。
失敗しても大丈夫。むしろ、失敗が気づきをくれます。
なぎまるは、ラウンジの隅から、あなたの練習をずっと見守っていますね。
練習は「時間をかけた分」ではなく、「どれだけ集中できたか」で身につきます。
焦らず、一つずつ、毎日15分。なぎまるも一緒に歩きますね。